振り返りの質が、翌年の成長を決める

3月に入り、いよいよ年度末が間近に迫ってきました。
この時期(3月下旬~4月頃が多いでしょうか)、多くの企業様で本格化するのが、
1年間の締めくくりとなる「評価面談」です。

先日、あるクライアント企業様の評価面談に同席させていただいた際、
とても「惜しい!」と感じた場面がありました。

一見すると、上司と部下の関係性も良く、スムーズに進んでいるように見える面談。
しかし、ここでの「あともう一歩の踏み込み」が、翌年の社員の成長を大きく左右するのです。

■ ある評価面談でのやり取り
面談の中で、数値目標が未達だった項目について、上司と部下の間でこのような
会話が交わされていました。


上司:「この項目は残念ながら、今期は『2点』という評価になります。
~というのが理由です。〇〇さん、自分ではどう思われますか?」

部下:「はい、仰る通りだと思います。自分でもそこが出来ていなかったと反省しています。」

上司:「よし、自分の課題が分かっているなら大丈夫。来期はしっかり頑張っていきましょうね!」

部下:「はい、わかりました。頑張ります!」


この面談、皆様はどう思われるでしょうか?

期間中の客観的な事実(行動や結果)をもとに、できていないところを上司が
しっかりと指摘し、部下もそれに納得している。一見、非常に素晴らしい面談です。

ですが、実はこの後に落とし穴があります。 抽象的に「頑張っていきましょうね」
だけで終わらせてしまうと、部下は明日から「具体的に何をどう変えればいいのか」
がわからず、結果的に来期も同じ失敗を繰り返してしまう可能性が高いのです。

■ 評価を「点数言い渡し」で終わらせないための3つの問い
評価面談の真の目的は、過去の採点ではなく、未来の成長に向けた「振り返り」
にあります。 部下が評価に納得した「その先」で、ぜひ以下の3つのポイントまで
話を詰めていただきたいです

① 原因の深掘り(なぜ?)
「どうしてその結果(未達)になってしまったのかな? 何がボトルネックだった
と思う?」と問いかけ、問題の所在や理由を明確にする。

② 具体的アクション(いつ、何を?)
「来期、ここを改善するために、具体的に『いつ(までに)』『何を』する?」と、
行動レベルまで落とし込む。

③ 上司のサポート(どう助ける?)
「目標達成に向けて、私はどんなサポート(環境調整やアドバイスなど)を
したらいいかな?」と、上司側のコミットを示す。

■ 「自分で考えさせる」と「力量に合わせる」
このとき、上司から一方的に「来期は〇〇をやりなさい」と指示を出してしまう
のは禁物です。人間、他人から与えられた指示よりも、「自分で決めた行動」の
ほうが圧倒的にモチベーションが高まる
からです。

極力、問いかけによって部下自身に考えさせることが基本ですが、ここで重要に
なるのが部下の力量(スキルや経験レベル)に合わせるという視点です。

●経験の浅い若手社員には【ティーチング(教える)】
まだ知識や経験が足りない社員に対しては、「自分で考えて」と言っても答えが出ず、
迷走してしまいます。ある程度、上司から具体的なやり方の選択肢を提示したり、
教えたりする関わりが必要です。

● 経験のある中堅社員には【コーチング(引き出す)】
能力のある社員に対しては、上司はあえて答えを言わず、「どうすればクリア
できると思う?」と問いかけ、本人の口から具体的なアクションを引き出します。

「ティーチング」と「コーチング」の併用。
このバランスを部下によって変えられるようになると、面談の質は劇的に向上します。

評価面談は、社員が1年で最も自分のキャリアや仕事に向き合う時間です。
単なる点数の言い渡しで終わらせず、質の高い振り返りを通じて、
翌期のロケットスタートに繋げていきましょう!