ウェルカムの文化が離職を防ぐ
4月を迎え、新年度がスタートしました。
この時期は、新卒採用だけでなく、中途社員やパート・アルバイトなど、
新しい仲間を組織に迎える企業様も多いのではないでしょうか。
「せっかく縁あって入社してくれたのだから、長く活躍してほしい」
経営者なら誰もがそう願うものですが、実は入社初期(特に最初の1週間)
の受け入れ態勢=「オンボーディング」の成否が、その後の定着率を大きく左右します。
「うちは10名〜70名ほどの中小企業だし、大企業のような立派な研修プログラム
なんて用意できないよ……」と思われた方もご安心ください。
中小企業だからこそできる、効果的で温かい「ウェルカムの文化」の作り方をご紹介します。
■ 放置が一番の敵!中小企業でも今すぐできる3つの工夫
新しい環境に飛び込んできたメンバーは、私たちが想像する以上に強い不安を
抱えています。
最も避けたいのは、現場が忙しすぎて新メンバーが「何をしたらいいか分からず
放置される」という事態です。
大がかりな研修はできなくても、ネット等でも注目されている以下の
3つのアプローチなら、明日からでも実践可能です。
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① 初日の「ウェルカム」を可視化する
デスクに「入社おめでとうございます!」と書いたメッセージカードを置いておく、
社内チャット(LINE WORKSやSlackなど)で全員に写真付きで紹介する。
これだけで「歓迎されている」という安心感が格段に高まります。 -
② 1人の「相談役(バディ)」を決めておく
「〇〇の申請はどうやるの?」「お昼ご飯はどこで食べるの?」といった、
業務以前のちょっとした疑問をいつでも聞ける先輩(バディ)を1人指名しておきます。
チーム全体ではなく「この人に聞けばいい」という存在が、孤立を防ぎます。 -
③ 「何を聞けばいいか分からない」をなくす手順書の用意
社内の基本ルールや、最初の1週間のスケジュールを簡単なチェックリスト
にして渡しておきます。
先が見えることで、新メンバーの心理的負担は一気に軽くなります。
■ 雇用形態を問わない「理念研修」のススメ
そしてもう一つ、私が講師として実際に関わらせていただいている、ある企業様の
非常に素晴らしい事例をご紹介します。
その会社では、新卒・中途といった若手だけでなく、経験豊富なベテラン、
さらにはパート・アルバイトの方に至るまで、入社した全員に必ず「理念研修」
を受講してもらっています。
研修では、会社が大切にしている経営理念や、Value(行動指針)、Mission(使命)
をじっくり伝えます。
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「我が社は、情報をOPENにして共有することを何より大切にしている」
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「失敗してもいいから、まずはやってみる社風なんだ」
こうした、組織の共通言語や独自のカルチャー(組織風土)を最初にしっかりと
理解してもらうのです。
■ カルチャーの理解が「早期の即戦力化」を生む
ベテランや中途社員であればあるほど、前職のやり方や常識を引きずってしまい、
新しい職場で「こんなはずではなかった」とギャップを感じがちです。
しかし、入社初期に「この会社で大切にされている価値観」をインプットし
ておくことで、新メンバーは「何を基準に判断し、どう動けば正解なのか」
という迷いがなくなります。
結果として会社への馴染みが早くなり、安心して自分の強みを発揮できるため、
早期の即戦力化に繋がるのです。
オンボーディングとは、単に仕事の手順を教えることではありません。
「あなたを歓迎しています」という姿勢を示し、会社の想いを共有して、
一刻も早くチームの「身内」になってもらうためのプロセスです。
大がかりな仕組みはいりません。 まずは「初日の元気な挨拶と、1通のウェルカム
メッセージ」から、Well-beingな受け入れ態勢を始めてみませんか?
P.S.
最近は飲み会をやらない会社(極端に少なくなっている会社)が増えています。
ですから、夜の歓迎会は実施困難な会社も多いことでしょう。
そんな時にお勧めなのは、ランチやコーヒーですね。
外に出る必要はなく、会議室で一緒にお弁当を食べたり、お茶をするだけでも、
「歓迎してくれている」という気持ちが伝わりますよ。


