GW明けの「なんとなく不調」に寄り添うマネジメント
ゴールデンウィークが明け、新緑が目に鮮やかな季節となりました。
長期連休でしっかりとリフレッシュできた一方で、この時期に多くの経営者様や
管理職の皆様を悩ませるのが、社員の「なんとなく不調」やモチベーションの低下、
いわゆる「五月病」です。
新入社員だけでなく、既存のベテラン社員であっても、連休の前後でプツリと
緊張の糸が切れてしまい、心や体にブレーキがかかってしまうことは少なくありません。
こうした時期だからこそ、上司が「最近どう?」と気軽に声をかけ、何でも話せる
「心理的安全性」のある関係性が重要になります。
今回は、私が1on1(定期面談)の研修や伴走サポートを行っている企業様の
事例から、部下に寄り添うマネジメントの本質を考えてみます。
■ 成果を上げる1on1を支える「3つのシート」
その企業様では、管理職の皆様が月に1回、部下の方と1on1を実施しています。
そして面談の質を高めるために、以下の3つのシートを活用し、毎月私に提出
していただいてフィードバックを行う、という取り組みを続けています。
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① ニーズ確認シート(部下が今回の1on1で話したいテーマを事前に上長に知らせるもの)
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② 事前準備シート(上長が部下と話す前に、どういう流れで何を話すのか準備するもの)
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③ 事後記録シート(面談後に話し合った内容や決定事項を上長がまとめるもの)
この取り組みを続けていく中で、非常に興味深い「差」が見えてきました。
■ 「ぶっつけ本番」 vs 「ニーズの確認」
しっかりと「① ニーズ確認シート」を提出してもらい、部下の話したいテーマを
事前に把握している管理職の面談記録を見ると、そこには驚くほど深い対話が記録されています。
仕事の話だけでなく、「実は最近、自身の体調が優れなくて…」「家族の介護の
ことで悩んでいて…」といったプライベートな事情や本音までが書かれており、
それに対して「今後、業務をどう調整して解決していくか」という前向きな解決策
まで話し合われているのです。
一方で、日々の忙しさから①の手順をすっ飛ばし、「ぶっつけ本番」で面談に
挑んでしまっている管理職もいます。
その場合、面談の中身はどうしても目の前の「業務連絡」や「仕事の進捗確認」
ばかりになりがちです。
これでは、わざわざ時間を取って行う1on1が、ただの「進捗報告会」になって
しまいます。
■ 手法よりも大切な「話を聞こうとする姿勢」
この違いは、一体どこから生まれるのでしょうか?
もちろん、シートを使うという仕組み(手法)も大切です。
しかし、本質的な違いはそこではありません。
一番大きな差は、上司の側にある「部下のニーズを確認しようという姿勢」
「本当に相手に寄り添い、話を聞こうと思っているか?」という心の差です。
「事前にシートを書いてもらうのは申し訳ないな」と思うかもしれませんが、
部下からすれば「今月はこれについて上司に相談したい」という心の準備が
できる安心感があります。
そして上司が「今日は君が話したいと言ってくれた〇〇について、じっくり聞くよ」
という姿勢で臨むからこそ、部下は安心して本音を打ち明けることができるのです。
■ 「最近どう?」から始めよう
GW明けの不調は、目に見える数字や業務の遅れとしては、すぐには表れない
かもしれません。だからこそ、表面的な仕事の話だけで面談を終わらせない
関わりが求められます。
「最近どう? 体調やプライベ一トも含めて、変わりない?」
大切なのは、部下の今求めていることに耳を傾けようとする、上司の温かい
姿勢そのものです。
本格的な夏を迎える前に、ぜひ社内のメンバー一人ひとりに寄り添う、
丁寧な対話の時間を取ってみてください。

