リスキリング
残暑が厳しい折、いかがお過ごしでしょうか?
日中は、まだまだ暑い日が続いておりますので、体調管理には気をつけたいですね。
さて、最近、ブログの更新が滞っておりました。
コロナが空けたこともあり、愛知県や岐阜県などの東海圏のみならず、京都、滋賀、
和歌山、宇都宮、東京など移動が多くなったこともあったことが原因ですが、
今後も合間を縫って更新していきます。
さて、リスキリングに関して、ある経営者と社労士さんがディスカッションするのを
お聞きする機会がございました。対談形式で紹介したいと思います。
社長 「最近、リスキリングって言われているけど、なんで会社を辞める人の
のために、研修をしないといけないの?お金の無駄でしょ?」
あと、キャリアデザイン研修とかやる会社も増えてるけど、あれも
退職者を増やすだけじゃないの?」
社労士「いや~、確かに、仰る通り、社員のために研修制度を充実させても、
研修した結果、退職してしまう社員はいますよね。
でも、社員のキャリアをサポートし、研修を充実させることで、
採用力が高まり、更にエンゲージメントも高まり、離職率も低下する
んですよ。」
社長 「ふ~ん、そういうもんかね。時代が変わってきたのか。」
社労士「ええ、終身雇用を前提として入社する若者も減ってますし、ある調査では、
入社1年目社員の40%が転職を検討していると回答してますからね。
一つの会社に在籍し続けるという意識の方は少なくなってきています。
ある意味で、転職を前提としてその会社に入社していますから、
転職も含めて、キャリアと成長をサポートする企業が選ばれるんですね。」
社長 「本来、自分のキャリアや成長なんて、自分でどうにかするものだと思う
けどね。会社に言われてやるもんじゃないでしょ?自ら夢を描き、目標を
設定して、必要であれば、業務時間外に勉強したり、資格取ったりして、
努力するべきだと思いますよ。」
社労士「はい、社長の仰ることも十分理解できます。実際に、意識の高い方は、
自分でキャリアを考え、自ら勉強をして、例えばMBAを取得したりして、
スキルアップしています。
でも、世の中、そんなに意識の高い方ばかりじゃないですよ。
社長の仰るような自分で取り組める方はごく一部です。ですから、その他
大多数の方のために、会社がキャリア開発や研修をする必要があるんですね。」
社長 「でも、うちの社員には、そんな受け身の人には来てほしくないな。
量よりも質で良いから、優秀な人材を集めて、自律型社員だけで構成されて
いるような筋肉質の会社にしていきたいね。」
社労士「ええ、社長の仰るように、採用=エントリーマネジメントも非常に大切です。
可能な限り優秀な自立型人材を採用できるよう全力を尽くすべきです。
他方で、この採用難の時代に、競合を差し置いて優秀な人材を採用しようとすると、
それなりの理由が必要となります。強い商品力があるとか、給料が高いとか、
社風が魅力的とか。御社にそんな魅力は、何かありますか?」
社長 「・・・残念ながら、自信をもって強く訴求できる魅力は、ないかもしれない。」
社労士「ほとんどの企業がそうですよ。お気になさらず。
だからこそ、既存の社員のレベルアップさせる必要があるんですよ。
また、社員を採用後に鍛えるために研修などを実施するんですよ。
人事評価制度の導入や運用も同様ですね。結局は、社員の成長支援ですから。
そして、そのような社員の成長を支援しているということ自体が、採用力強化に
繋がっていくんですよ。」
社長 「・・・そういうことね。うちも中小企業だからといって、何もしないでいると
競合他社にどんどん良い人材を採用されていってしまうかな。
特にZ世代と言われている若い社員は、自己成長を重視して、会社選びをしている
と言われているし。」
社労士「さすが、社長!よくご存じで!そうなんです、色んな調査結果でも、20代のZ世代は
成長出来る環境や会社を選ぶ傾向があるんですよね。
ですから、研修でも人事評価制度でも何でもいいですから、出来ることから、一つずつ
対応していきましょう。」
似たような話は色んな所で聞かれます。
小さなことでも全く構いませんので、まずは、出来るところから、取り組んでいきましょう。