大谷選手はZ世代?

オフシーズンながら、連日メディアを賑わせている大谷翔平選手。
ドジャーズと10年総額7億ドルという契約内容もさることながら、日本全国の
小学校にグローブ寄贈、背番号を譲ってくれた選手の奥様にポルシェの
プレゼントなど、大盤振る舞いも話題となっています。

大谷選手は現在29歳であり、いわゆるZ世代にギリギリ含まれるかどうかの
年齢となります。

Z世代といえば、下記のような特徴をもっています。

1.多様性を受容している
2.つながりを大切にする
3.オープンなコミュニケーションをする
4.社会問題への関心が強い
5.現実主義で効率を重視する
6.ブランドにこだわらず自分の価値観を重視する

あれだけストイックに高みを目指している大谷選手には、Z世代の一般的な
特徴に当てはまらないのでは?と思いきや、少なくとも「自分の価値観を重視する」
という点において、強固なものを感じますね。

大谷選手がメジャーに挑戦した6年程前は、ヤンキース、レッドソックスなど
名門かつブランド力もあり、かつ、恐らく他球団と比較して年棒も高いチーム
からスカウトを受けながらも、大リーグ最低年棒でエンゼルスで二刀流をする
ことを選択しています。
ここに、自分の価値観を大切にし、己の道を突き進む強さを感じます。

ある東京の20代の経営者が言っていたことを思い出しました。

働く意味が変わってきている。若い人は、お金のために働いていない人が多い。

だからこそこそ、一人一人が何を目的として働いているのか?仕事や職場に
何を求めているのか?そのようなことを意識しながら経営していかないと、
人は採用できないし、採用したとしても活躍しなかったり、離職してしまう
ことに繋がってしまうのです。

これが、ここ数年、エンゲージメント経営ウェルビーイング経営が脚光を
浴びた背景の一つかもしれません。

「一人一人の価値観に寄り添って、大切にしていたら、組織が成り立たない」
「逆にパフォーマンスが下がる」

上記のような意見をお持ちの経営者もいらっしゃるかもしれません。
確かに、そのような側面も一時的にあるかもしれませんが、大谷選手のように、
自分の価値観、二刀流という道を尊重し続けたからこそ、球界最高の選手に
なるという場合もあります。

中長期的な視点で経営を捉え、採用・評価・活躍(離職)・育成という全体で
見た際には、一人一人の価値観やモチベーションの源泉を把握し、それらを
大切にしていくことの方が、経済合理性が高くなるのではないでしょうか?

だからこそ、人的資本の情報開示が義務化され、エンゲージメント、人材育成等
の状況を投資家に明らかにしなければならなくなったのです。

中小企業も他人事ではございません。
最近は、サントリーや日本生命など、大企業は7%程度の賃上げを実施する
企業も出てきました。中小企業にとっては、到底実現できない数字でしょう。
給料で太刀打ちしようと思っても、大手や同業に勝てない企業はたくさんある
でしょう。

でも、前述のように、最近の若い人たちは、お金のために働くという意味合いが
希薄になっています。だからこそ、給料以外の会社の魅力を作ることで、
良い人材を獲得し、イキイキとはたらく環境を作ることも可能です。

ここが中小企業が力を入れるべきポイントだと思います。
「良い会社にするためには、どうすればよいか?」
考えたらきりがないくらい、やるべきことが浮かんでくるかもしれませんが、
一つ一つ優先順位をつけて、取り組んでいってください。

ダイエットと同じように、すぐには効果が出ないかもしれませんが、継続する
ことで、必ず成果が出てきます。