終身雇用、世界で戦えない
8月9日の日経新聞では、「終身雇用、世界で戦えない」という見出しで、NTTの
島田社長の人事制度改革に関するインタビュー記事が掲載されていました。
NTTでは2023年4月に人事制度が改革されました。
民営化以降最大と言われる改革で、主な内容は年功序列の撤廃です。
「若手ほどパフォーマンスに対して適正な処遇を受けたいという意識が強く、
年功序列は受け入れられない。」
「挑戦を促すためにも個人の能力をきちんと評価し努力が報われる仕組みに
変わらなければならない。」
等級制度は全部で6等級だそうですが、今までは在任年数が2~3年となっていた
ようですが、それを撤廃し、早期に昇格できる制度にしたそうです。
多くの人事コンサルタントが感じていると思いますが、中小企業でも、年功序列
の撤廃は、もはや当たり前です。業界、エリア、問わずです。
「終身雇用、世界で戦えない」どころではなく、「終身雇用、日本で戦えない」
とも思います。
(もちろん、信念をもって年功序列を貫き、業績好調な企業様も存在しますが。)
それにもかかわらず、大体的に新聞紙面で1面を割いて記事にしているのは、
スピード感に欠けているとも思いましたが、超大手企業ゆえ制度改革にも相当
時間がかかったのでしょう。
平均年齢が高く、若手社員が採用できない、もしくは採用したとしても定着
していない会社は、年功序列を維持し、昔ながらの人事制度を運用していたり、
そもそも人事評価制度が存在せず、社長のペン舐め査定で報酬が決まっている
ことが多いです。
価値観が昭和や平成世代と大きく異なる若手はZ世代と言われ始めて結構な
時間が経過したと思いますが、そんな彼らもいよいろ30代に突入しようと
しています。会社の主力となって活躍する世代となります。
もしもまだ年功序列にしているのであれば、時代の流れや最近の若手社員の
傾向なども踏まえながら、メリット/デメリットをしっかりと考えたうえで、
今後の人事制度をどうするかじっくりと考えたほうが良いと思います。