制度再構築→最高業績!

最近、嬉しいことがありました。
それは、当社のクライアントが過去最高業績を上げたことです。

人事評価制度の構築~運用迄サポートさせて頂き、数年が経過しましたが、
当初は決して順調とはいえませんでした。

社員様向けの説明会中に管理職の方々から「こんなの達成できない」と不満の
声が上がり、すぐに修正したものの、運用半年後に評価面談に同席した際には、
評価シートがうまく活用されておらず、管理職の方々からの不満が爆発し、
中には涙ながらに現状を訴える方もいらっしゃいました。
評価者の方々の意見は様々でしたが、下記のようなことを仰っていました。

・評価項目の行動目標の項目が自社に合っていない
数字を達成するためのプロセスが細かく、多く設定されていて窮屈
・会社からの要望事項(数値目標)が多すぎて、プレッシャーを感じる
・こんなに頑張ってるのに、まだ足りないというのか?
自分達が評価してもらいたいと思うことも評価に盛り込んでもらいたい

その現状を踏まえ、人事評価制度構築当初は、社長の想いを100%盛り込んだ
内容としましたが、社員の皆様の想いを最大限反映させる評価制度に作り直し
ました。具体的には、下記のように修正しました。

①行動目標の項目、内容は、自由。
各評価者が自分のチームに合うように変えて良いし、メンバーと話し合って
決めても良い。
②数字目標(成果)も、売上という項目以外は自由。
どんな項目にするのか、その達成基準も社員が自由に決めて良い。
ただし、個人の数値目標は入れず、チーム全員で同じ指標を追いかけるようにする。
③社員が自由に目標を書ける項目を追加。
自分や会社の成長に繋がるというものであれば、どんな内容を書いてもOK。

結果として、同じ仕事をしていても、チームが異なれば、評価シートが全く
違うというバラエティに富んだ内容となりました。
公平性という観点で見れば疑問の残る内容になったのですが、自分達で決めた
評価項目なので、納得感が高まり、特に不満の声は上がりませんでした。

その後、蓋を開けてみれば、なんと最高業績!
社長に評価制度を修正したいかを確認したところ、

「問題ないので、このままで良いです」と回答したあと、しばらく考えて
「あっ、こんなに頑張って成果を出してくれてるので、賞与をもっと支給
 したいです。そのため賞与基準を見直したいですね。」

なんとも嬉しいお言葉。
会社にマッチした評価制度にすることで、社員のやる気向上、成長支援、
業績向上→社員還元に繋がりました。

つくづく感じるのは、人事評価制度は、作ってからが大切ということ。
最初に作った制度でうまくいくことももちろんありますが、半年間~1年間
運用してみると改善点が見つかることも多々あります。
そのような際に、スピーディーに制度の中身を変えたり、運用方法を変えたり、
評価者研修をしたり、社員向けの研修をしたりするなど、適宜柔軟に対応して
いくことが大事です。

人事コンサル会社の中にはワンパターンの評価制度しかなく、それをどの
クライアントにも提案しているような会社もあり、お客様の要望に応じて
柔軟に制度を作ることが出来ない会社もあります。
また、制度を作るだけで運用はフォローしていなかったり、運用のフォロー
をするといっても、研修や査定シミュレーションなどパッケージ型の決まり切った
運用フォローしかせず、評価者や社員様など実際に評価制度を使っている当事者
の意見を拾い上げない会社もあります。

自社で評価制度を構築・運用するとき、外部の会社を選ぶとき、是非上記の
視点をもち、「作ったあとにうまくいかなかったらどうするか?」を念頭に
置かれておいたほうが良いでしょう。