クラス(小学校)の人事施策

昨日は子供達(小学校2年生&4年生)の授業参観でした。
人事コンサルタントの観点で、授業や教室運営の方法などを見てみると、
企業と似ていると感じた点が幾つかありましたので紹介します。

〇目標設定&振り返り
小学校4年生の算数の授業では、「マイチャレンジ」というシートがあり、
そのシートにはこれから取り組む課題の「めあて」を記入し、その授業で
取り組む課題(プリント)を自分で選び、終了後には「振り返り」を記入
し、先生に提出するという自習型の授業を実施していました。
先生は20~30人の生徒のシートを巡回しながら一つ一つ確認していました。

「プリントをたくさんやれば良いのではなく、また、早くやればいいもの
でもなく、自分が出来ないところが出来るようになり、今よりも成長する
ということが大切」ということを強調されていました。

企業では目標管理制度を取り入れているところも多いですね。
人事評価制度、経営計画、日報や週報などを活用して目標設定→振り返り
を実践しています。

〇ビジョン(組織のありたい姿)
「友だちをきずつけないクラス」というビジョンを掲げていました。

企業でも、経営理念、社是,ビジョンなど名称は様々ですが、自社がどうなり
たいのかを言語化して明確にしますね。

〇行動指針
「大事な3つの事
一、ともだち 二、かたづけ 三、きりかえ
をたいせつにするべし。」という紙が黒板の上に貼られていました。

企業では、バリュー、クレド、行動指針などで、社員が仕事をする上での
指針を明確にします。必要に応じて、額物に入れて貼り出したり、クレド
カードを作成し、周知徹底させます。

〇係
「ダンスかかり・・・ダンスをみんなにおしえる」
「スーパーおたすけかかり・・・人とたすける」
「クイズなぞなぞかかり・・・クイズをだしてけいひんをわたす
みんなをえがおにするかかり」

企業では、等級制度や職位要件などで組織の中での役割を明確にします。
また、社内イベントの係など、組織がうまく機能し、盛り上げるための
係が存在します。

こうやってみてみると公立の小学校のクラスでも、しっかりと組織として機能
させ、生徒の成長を促進するような仕組み作りや取り組みを実践されていると
感心しました。

他方で、世の中の中小企業を見てみると、下記のようなことが散見されます。

・通常業務で忙しく、目標設定をしていない。
・管理職が管理する部下の人数が多く、振り返りをしていない。
・会社のありたい姿、目標、ビジョンが明確でない。
・行動指針やバリューなどが存在せず、組織共通の軸がない。
・組織内での役割が明確でない。
・目の前の仕事で精一杯で、組織を活性化するための施策は実践しない。

どうしても現状維持バイアスが働き、人手不足なども相俟って、新しいこと
へのチャレンジが疎かになってしまいがちですが、何か一つでも良いので、
会社を良くするための取り組みを実践することをお勧めします。