初任給と子供手当

本日の日経新聞「中部経済」の紙面には、名古屋銀行の新卒初任給、及び、
JR東海の子供手当に関する情報が記載されていました。
サマリーは下記の通りです。

◆名古屋銀行/2026年春の新卒初任給を30万円(25年度より4万円アップ)
◆JR東海/子供手当を2万円(倍増)※但し、配偶者手当(5,000円)は廃止

名古屋銀行の新卒初任給UPは、最近の給与動向、採用マーケットを踏まえた
変更ですね。三井住友銀行の30万円に並ぶ高水準で業界最高クラスとなります。
賃金アップの背景としては、優秀な人材の確保、社員の定着だそうです。

このような新卒や若手社員の待遇を改善する流れは、徐々に大きくなっています。
企業規模の大小、業界を問いません。
構造的な労働人口の減少、雇用の流動化の促進により、今後もこの傾向は
変わらないでしょう。

当社のクライアントの人事評価制度改革においても、下記のような若手社員の
待遇改善をするケースが増えています。
新卒の初任給を上げる
若手の方が昇給金額を大きくする
一定の年齢まで年齢給を導入して底上げを図る
年齢や入社年次に問わず昇格できる昇格基準を設けるetc

JR東海の配偶者手当廃止も、時代の流れに沿っています。
労働人口が減少している中で、国の方針としても、女性の社会進出を促したく、
配偶者手当を廃止、もしくは、金額を減少させる企業が増加しています。
また、家族手当は、成果・役割・責任・能力など仕事とは一切関連がない待遇
であるため、実力主義を導入したい会社からも敬遠される傾向があります。
さらに、最近は、結婚しない方、子供を持たない方、LGBTの方など多様な
社員の方がいらっしゃるので、結婚したり子供がいるだけで待遇が変わるのは
不公平だという論調も強まっています。

その際に、配偶者手当は廃止するものの、子供手当を増額させて、実質的に
家族手当(配偶者手当+子供手当)の金額をあまり変わらないようにするケース
がございます。

しかし、JR東海の場合には、恐らく家族手当支給額が増額している社員が
多いでしょう。

例として、妻+子供2人の世帯で考えた際に、下記のような計算となります。
【従来】配偶者手当5,000円+子供手当20,000円(10,000円×2人)=25,000円
【今後】子供手当40,000円(20,000円×2人)=40,000円
上記の計算式でいうと、子供が1人でもいれば、今まで以上に増額ですね。
つまり、家族手当の拡充です。

配偶者手当廃止という点だけでみると時代の流れに沿っているように見えますが、
実態は、家族手当を拡充していると評価すべき事案だと思います。

他の会社が家族手当を減らしているのであれば、うちは逆に、家族手当を充実
させて、子育てを支援するという点をアピールしよう」といういわば逆張りの発想です。

人材の採用、若手社員の離職は、どの企業でも課題となっています。
基本給や手当の改善は解決策の一つとなります。
しばらく変えていないという場合には、見直した方がいいタイミングかもしれません。