昇給

ここ数年は、企業規模の大小を問わず、昇給率が高くなっている傾向があります。
(以前のブログでも執筆したように、実際には手当や賞与を減らしているので、
会社が支給する賃金総額が変わっていない企業も多々ありますが…。)

当社では報酬制度を設計する際には、同エリア・同業(もしくは近しい業界)
同規模の企業の賃金データと比較分析して、相場以上の賃金水準になるか?
相場以上の昇給率となるか?を確認します。

優秀な人材確保、離職防止、モチベーション向上のためには、ある一定水準の
賃金や昇給率を維持することが重要だからです。

ですが、相場を把握したからと言って、最終的にどれくらいの給与水準、昇給率
を想定して賃金テーブルを作成するかは、経営判断に委ねられます。

先日ある企業では、報酬制度構築の際に役員で話し合って、昇給ピッチ(昇給率)
を決めました。

最近の賃金水準、昇給率などを参考にしながら作成した報酬制度の素案は、
今までの同社の水準よりも高いものでした。

素案をご覧になって頂いた際には、社長含め、全役員がその昇給率を前提と
するとかなり給与が高くなるということを懸念され、昇給率をどの程度にする
かが、議論されました。

いわずもがな、基本給は一旦上げると下げにくく、残業や賞与支給のベースとも
なるため、どの会社も極力基本給は上げたくないというのが、本音です。

業績は良い企業様ですが、昇給率を1%という前提で報酬制度を設計するのか?
2%にするのか?3%にするのか?4%にするのか?
今までの昇給率、同エリアの昇給率などを比較検討しながら、 意思決定を
する際にかなり悩まれました。

全社員の評価結果をシミュレーションし、それを踏まえた上での年間の全社の
昇給額のデータをもとにしながら役員が考えこみました。
しばらく沈黙が続いた後に、ある役員の方が、きっぱりと発言しました。

「私は、今の社員は、非常に頑張ってくれているので、今までよりも若干
昇給金額はあがるかもしれないが、これくらいで丁度良いと思う。
報酬でしっかりと還元してあげたい。」

この一言が決定打となり、報酬制度が確定しました。

上記のような意思決定の背景は、人事評価制度の社員様向け説明会でもしっかり
説明させていただきました。

社員の努力に報いたい、頑張りを正当に評価したい、出し惜しみをするのではなく、
頑張った分はしっかりと報酬で還元したいというような想いは、必ず社員の
皆様に届きます。

これからの社員の皆様の行動に期待したいです。