査定会議

人事評価では、半年毎or1年毎に各社員の評点を確定し、報酬(昇給・賞与)
に反映させます。その際に実施するのが査定会議です。
査定会議の概要は下記の通りです。


■査定会議とは?
各部署・評価者が付けた評価(点数/ランク/昇給・賞与案など)を持ち寄り、
会社としての最終評価に向けて妥当性を確認し、必要に応じて調整・決定する会議

■目的
①評価の公平性を高める(評価者ごとの甘辛差、部署差の補正をし目線を合わせる)
②根拠の明確化(「なぜこの評価か」を説明できる状態にする)
③人材育成・配置に繋げる(次の育成課題、抜擢・配置転換の材料化)

■方法(色々なやり方がありますが代表パターンは下記の通り)
①事前準備
評価データを一覧化(部署別・等級別・評価者別の分布、前年差、根拠コメント)
②一次評価の妥当性確認
特に高評価/低評価の社員、高評価/低評価を付ける傾向にある評価者の部下
③評価の調整:
・「評価項目・基準に照らすとズレていないか」
・「部署・評価者の甘辛差が大きすぎないか」
④評価決定
・最終決定:評点/評価ランク/昇給・賞与額/フィードバック方針を確定


評価シートの評点を付けるとは、シンプルに事実に基づき(部下自身の行動や
出した成果)、評価項目・評価基準に則って点数を付けるだけなのですが、
これが意外と難しいものなのです。

良くあるのは、こんな場合です。

・「成果目標で数字により明確に評価できるにも関わらず、部下の努力を一番
 近くで見ていた上司だからこそ、甘くつけてしまう」
・「評価を説得的に説明できないからか、部下の自己評点通りの点数を付けてしまう」
・「上司が部下の仕事振りを自分と比較して、厳しい点数をつけてしまう」

どうしても人事評価制度運用当初は、評価者により大きくブレが生じてしまう
ことがあります。それを是正するのが査定会議の重要な目的です。

当社の人事評価制度コンサルティングサービスでは、査定会議のフォローも
していますが、多くの企業では慣れないうちは評価者の甘辛が激しく、
目線合わせや調整に時間がかかることが多いです。

ですが、回数を重ねるうちに、査定会議の時間は短くなっていきます。
なぜなら、1次評価者(例:課長)の目線と、2次評価者や最終評価者(例:社長)
の目線が合致してくるからです。

私がサポートしている企業では、査定会議において、最終評価者(社長)は、
一次評価者(課長や部長)の評価をほぼ追認して、念のために評価シートをざっと
確認する位で終わる場合もあります。

ただ、こうなるにも時間がかかり、4~5年位かかりました。
その会社は、5年位前は部長などの役職がついていても、管理職とは名ばかりで、
実際にはプレーヤーの方々で、部下と1対1の面談も実施したことがありませんでした。
当然、部毎や個人毎に目標を設定することもなく、上司は指導らしい指導はしたこと
がないような状態でした。

そんな状況でも、まずは社長が会社を変えようと決意し、人事評価制度を導入し、
色々な摩擦が生じながらも粘り強く運用していった結果、うまく制度を運用できる
ようになりました。

今では部門長が年度の部門目標を設定し、それに基づき個人の成果目標や行動目標
を設定し、会社が大切にしている経営理念、価値観に則って行動できているかを
半年毎に評価し、その評価を報酬や昇格に反映させることが出来ています。
業績も右肩上がりで、社員の方の給与もどんどん上がっています。

今まで全く評価制度を導入したことのない企業が、初めて評価制度を導入して、
いきなりうまくいくことはレアなケースです。

「工数がかかる、面倒くさい、何でこんなことやってるんだ」
「点数があまりにもばらついていて頑張りを正当に評価できないからこれは無意味だ」

というような批判的な感想が現場から上がることもあります。

そんな時に重要なのが、当たり前ですが、粘り強く取り組むということです。
人事評価制度を導入することは、個人に例えると、体質改善のためにジムに行ったり、
ランニングを始めるようなものです。

新しいことをはじめたら、当然のように筋肉痛になったり、疲れたりするものなのです。
ちょっと痛いからといって、筋トレを止めてしまっては、効果が出ません。

人事評価制度がうまくいってないと感じた際には、改めて制度を導入した目的を思い
出してください(公平な評価、人材育成など)。

そして、焦らず、目の前の課題を一つずつ解決しながら、粘り強く取り組んで下さい。
そうすれば、徐々に効果を実感できるはずです。