【well-being書籍のご紹介~VOL.7~】パーパス・マネジメント(丹羽真理 著)
「ミッション、ビジョンはもう古い。一番大事なのはパーパス(存在意義)である」
書籍の帯に強いインパクトのある言葉があります。
著者の考え方によりますと、職場で幸せを感じるためには、下記の4つが必要とのこと。
①Purpose(パーパス=存在意義)
②Authentincity(自分らしさ)
③Relationship(関係性)
④Wellness(心身の健康)
そして、Purposeとは、自分のPurposeと会社のPurposeにつながりを見出し、
自分の仕事に意義を感じられることを意味します。
マーティン・セリグマン氏が提唱したPERMAモデルのM(Meaning=意義)や、
ティール組織の3要件の一つである「エボリューショナリーパーパス(進化する目的)」
と趣旨を同じくする概念であると思います。
幸福学の権威である前野教授とパーソル総合研究所の研究結果である働く人の幸せ診断
の「他社貢献因子」とも近しい概念ですね。
いずれにせよ、Purposeは、well-beingと密接な関係がある概念ですが、私が初めて
この本を読んだときに一番驚いたところは、ユニリーバ社/島田様との対談でした。
同社でも会社と個人のPurposeの一致が一番大切であるという考えのもと、
社員がディスカッションをする機会を設けているようです。
そして、その中では、社員一人一人に対して、
「あなたの生きる目的は何ですか?」と問いかけるとのこと。
ユニリーバでは、「1年後、3年後、5年後の自分はどうなっていますか?」という
問いかけはしないそうです。
その代わりに、「あなたが死ぬときのことを考え見てください」と問いかけるそうです。
それと同時に、会社の存在意義を伝えるための「パーパス・ワークショップ」
というものを展開しているとのことでした。
会社の理念や存在意義を浸透させるために、朝礼で唱和したり、定期的に社員に向けて
経営者が発表するということはよく聞きます。
しかし、個人のキャリアプランのみならず、生きる目的にまで踏み込んで意義を深掘りし、
会社の存在意義との合致を認識させるような取り組みをしている会社は、あまり聞いた
ことがありません。
さすが、幸福学の概念を取り組んだ人事施策を遂行している企業で有名なユニリーバ様
ですね!
興味のある方は、是非ご一読ください。