ピープルファースト(資生堂)
本日の日経新聞で、資生堂社長の魚谷氏のインタビュー記事が掲載されていました。
印象的だったのは、今後は、社員の自主性や活力を経営の指針とする方針を強化するという点。
魚谷氏が会社をどのように運用するか悩む中で考えたのが、社員の活力があってこそ、成果が出て、全てにいい影響が出るということ、「ピープルファースト」と言い始めたそうです。
資生堂社は、21年から構造改革を進めてきたが、トップダウンでは無くて、ボトムアップ型で社員から上がった声をもとに進めたものだそうです。創業150周年を迎える22年には、世界ナンバーワンになるための意見を全世界の社員から募るプロジェクトを準備しているとのことで、自主性を重視している姿勢が伺えます。
この取り組みをwell-being(幸せ)と言う観点から見ていきたいと思います。
「働く幸せ」には、全部で7因子ありますが、そのうちの一つに「役割認識因子」というものがあります。これは、自分の仕事にポジティブな意味を見出しており、自分なりの役割を能動的に担えている実感が得られている状態を指します。その役割認識を持つ上で、重要になってくるのが、「私は、主体的に仕事に取り組めている」と感じることです。いわゆる、主体性ですね。
さらに、その他の働く幸せの因子には、「自己裁量因子」があります。自己裁量があると感じるためには、「私は、仕事で自分自身の考えや意見を表現できている」と認識している必要があります。このように、自主性を尊重する施策は、「役割認識因子」と「役割認識因子」を強化し、社員の働く幸せを増大させるのです。
well-beingを経営に取り込むとなると、「幸せ」や「well-being」という言葉を経営理念や人事コンセプトで使わなければいけないというようなイメージを抱いている方もいらっしゃるかもしれません。ですが、そんな言葉を使わなくても、問題ございません。当たり前ですが、重要なのは、名称や形式ではなく、実質的な中身です。
その意味で、資生堂社の取り組みは、社員の働く幸せを増大させる素晴らしい取り組みだと思います。
社員の自主性を高めるための施策は、今回ご紹介したように、社員から意見を募るという方法以外にも、色々とあります。
例えば、ジョブ・クラフティング、キャリアデザイン研修、人事評価制度を活用した目標設定etcです。
自社で取り組めるものから、是非取り組んで見てください。そして、外部の力が必要な際には、是非当社にお声がけ頂ければ幸いです。