評価項目:マーケットシェア

先日、損保ジャパンが、人事評価で重視してきた「マーケットシェア」を全面
的に廃止するというニュースがありました。

今までは利益重視の経営体制で、営業の人事評価においては、
マーケットシェア」や「保険料収入」の項目のウェイトが高かったようです。

その背景としては、ご存知の通り、損保ジャパンは、自動車保険金の不正請求
を繰り返していたビッグモーターとの取引を巡り、金融庁から業務改善を受け
ていましたが、その再発防止と組織の立て直しをするためです。

結果として、保険金不正請求に繋がっていたので、「マーケットシェア」を
人事評価に結びつけることがネガティブな印象を持たれるかもしれません。

他方で、違った見方をすると、人事評価制度が経営戦略遂行の手段として
有効に機能していたという素晴らしい事例でもあるのです。

保険金の不正請求は許されることではないですが、人事評価制度が社員の行動
を方向付けるツールとして効果的であることを端的に示しているとも言えます。

「社員が会社が求める行動をしてくれない」
「全社員が一丸となって、ある目標達成に向けて、行動して欲しい」
というような悩みを持たれている経営者の方々は多いと思います。

それを解決するための一つの手段として、人事評価制度の構築(評価項目に
会社が求める成果・行動を設定)を視野に入れて頂ければと思います。