打たれ強い組織をつくる「レジリエンス」~評価制度だけでは解決できない心の問題へのアプローチ~
さて先日、クライアント企業様にて研修を実施いたしました。
研修のメインテーマの一つとして扱ったのが、今ビジネスの現場で非常に注目
されている「レジリエンス(逆境に負けない心の回復力)」です。
今回は、なぜ今多くの企業でレジリエンスが必要とされているのか、
そして組織づくりにおけるその重要性についてお話ししたいと思います。
■ なぜ今、「レジリエンス研修」が広まっているのか?
最近、多くの経営者様や管理職の皆様から、以下のようなお悩みを伺う機会が増えました。
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「注意や指導をすると、極端に落ち込んで立ち直れなくなってしまう」
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「一度の失敗で『自分は向いていない』と最悪のシナリオを考えてしまう」
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「周囲の目を気にしすぎて、チャレンジを恐れる社員が多い」
このように、メンタルが「打たれ弱い」社員の増加や職場に蔓延する「ネガティブ思考」
に頭を痛めている企業は少なくありません。
実際、大手企業では新入社員の導入研修や内定者研修、入社3年目研修などの
非常に早い段階から「レジリエンス」を教育カリキュラムに組み込むケースが
急増しています。
変化が激しく予測困難な時代において、若手社員が壁にぶつかったときに早期
離職してしまうのを防ぐため、企業側も早め早めの対策を講じているのです。
■ 評価制度だけでは解決できない「根の深い問題」
当社は主に人事評価制度の構築や運用をサポートしておりますが、コンサルティング
の現場に入ると「評価制度という仕組み(外側)だけでは解決できない根の深い問題」
に直面することがあります。
どんなに公平で素晴らしい評価制度を作っても、それを受ける社員側の
「受け止め方(思考の癖)」が極端にネガティブであったり被害妄想的であったりすると、
上司からの期待やフィードバックを素直に受け取れず、モチベーションの低下や離職に
繋がってしまうからです。
制度という「仕組み」を機能させるためにも、
社員一人ひとりの「思考の柔軟性(内側のメンタル)」を育むアプローチが不可欠となります。
■ 「折れない心」ではなく「柔軟なしなやかさ」
研修でお伝えしている「レジリエンス」とは、単に精神的に頑丈でストレスを
跳ね返すような「折れない硬さ」ではありません。
竹のように「重圧やストレスにしなって対応し、失敗や困難から素早く回復して
成長に繋げる力」のことです。
今回の係長研修では、心理学の「ABCDE理論」というフレームワークを活用しました。
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A(出来事): 上司からミスを指摘された
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B(解釈): 「自分はダメな人間だ」「嫌われている」という思い込み(思考の癖)
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C(結果): 激しく落ち込み、挑戦をやめてしまう
人間は「A(出来事)」によって直接「C(感情や行動)」が決まると思いがちですが、
間に挟まる「B(解釈)」こそが行動を決めているのです。
研修では、「他責思考」「最悪思考」「べき思考」といった自身の解釈の偏りに気づき、
反論(D)を試みることで、より良い結果(E)を生む前向きな解釈
へとリフレーミング(視点の転換)していくトレーニングを行いました。
■ 従業員にとって「一生モノの無形資産」になる
教育や心理学の世界では、
『レジリエンスは、親が子どもに遺してあげられる最大の無形資産』
と言われることがあります。
学歴や財産以上に、変化の激しいこれからの時代を自分らしく生き抜くための確固
たる土台となるからです。
これは、企業で働く従業員の皆様にとっても全く同じことが言えます。
仕事で壁にぶつかったとき、あるいはプライベートで困難に直面したときに、
自分の思考の癖に気づき、前向きに立ち直ることができるスキル(レジリエンス)は、
社員の人生全体を支える大きな財産になります。
社員一人ひとりが「折れないしなやかさ」を身につけること。
それこそが、社員自身の幸せ(Well-being)を高め、結果として組織全体の持続的
な成長と強い現場力へと繋がっていくと思います。

