目標設定研修
さて、大分暖かくなり、春を感じる季節となりました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか?
先日、某企業の問題解決&目標設定の研修を実施しました。
自らゴールを設定し、現状とのギャップを問題として捉え、どこに問題があるのか?なぜ問題となっているのか?
問題を解決するためにどのような行動計画を立てるのか?という、いわゆる目標設定と問題解決の手順に沿ってPDCAサイクルが回せるようになるための研修です。
若手社員のうちから目標設定、問題解決、PDCAを徹底的に習慣化させるという背景で実施された研修でした。
階層別に年度ごとの研修スケジュールもしっかりと立てられており、研修の位置づけも明確でした。
(3月になり研修予算が余り、急遽予算を消化すべく、研修が実施されたという背景もありましたが…)
研修を受けっぱなしにさせることはなく、宿題を課し、上長にフォローしてもらう流れとなっており、内容・プロセス全てに卒がなく、さすがは業界のリーディングカンパニーである大企業といったものでした。
ですが、講師として登壇して、一点非常に気になる点がありました。
それは、目標設定の難易度です。
研修内容は、いわゆる下記SMARTの法則に沿って目標を設定することが出来るようになることを目的としており、オーソドックスな内容です。
Specific(具体的に)
Measurable(測定可能な)
Achievable(達成可能な)
Related(経営目標に関連した)
Time-bound(時間制約がある)
上記のAchievableに関連して、達成不可能な非現実的な目標を立てないようにするということは、当然、皆様、理解してくださいます。
しかし、重要なのは、ある程度ストレッチさせた、適正な難易度の目標を設定することで自身の成長を促すことです。
そうであるにも関わらず、前回の研修では、このまま何の努力をしなくても、普通にやっていれば、達成するであろう目標を設定する方々あまりにも多かったのです。
「お話をお聞きする限りでは、特段努力しなくても、日常業務を継続しているだけで、達成しそうな目標となっているように見えますが、どう思われますか?」
(上記質問にYESと回答した受講生に対して)「『背伸びをすれば届く位の目標』『ジャンプをすれば届く位の目標』を記入してはいかがでしょうか?」
と指摘しても、「そうですね~」と回答するものの、難易度が高い目標に修正される方は、ほぼ見受けられませんでした。この目標で上長がOKを出しているという背景もあり、企業の体質が如実に表れていると感じました。
他方で、米国のIT企業や日本のベンチャー企業でも、「ムーンショット」と呼ばれるような壮大な目標を従業員に設定させる企業もあります。その差は歴然ですね。
「目標がその日その日を支配する」(社会教育家の後藤静香氏)と言われるように、目標はその人の行動に多大な影響を与えます。だからこそ、自分に甘すぎず、辛すぎない、適正な難易度の目標を立てることが大切です。