人事評価制度説明会

時が経つの早いもので、4月に入りもう3週間が経ちました。あと少しでGWです。
新年度の始まりということもあり、この4月に合わせて社員様向けの人事評価制度
の説明会を開催する企業様が多いです。

当社でも今年は4~5月にかけて幾つかの説明会を予定しており、無事完了
したところから、制度の完成迄あと少しでラストスパートをかけている企業様
もございます。

通常の社員様向け説明会では、一通り説明して、たまに質疑応答がありながらも、
淡々と実施して滞りなく終了します。その後、休憩をはさんでから、評価者研修
移り、評価者の皆様に評価者としての心構えや面談実施方法をレクチャーします。
評価者研修の際は、全員向けの説明会より人数が少ないですし、管理職しかい
ないので、込み入った質問などを受けることもあり、理解を深めていただく機会
となっています。

ただ、たまには事件が起きることもあります。
本日は、恥を忍び、自戒の念も込めて、過去に私が実施した説明会の中で
特に印象に残っているものをご紹介したいと思います。


①発表後に社長が評価シートを回収

説明会の際に、今までに現場や役員、社長も含めて、かなり議論を重ねて
人事評価シートを作成したのですが、社員の皆様に配り終わったあとに、
社長より「すいません。申し訳ないのですが、回収して頂けますか?」との
依頼をうけて、その場で回収。
人事評価制度構築に携わった他のPJメンバーも私も一瞬何があったのか理解
できなかったのですが、最後の最後で、どうしても気になるところが出てきた
ようです。幾度となく、意向を確認してきたつもりでしたが、言葉や表情に
出せない社長の想いが汲み取れていなかったのかもしれません。
後日、評価シートを配布し直しました。


②社員の皆様から大ブーイング
「こんな目標、達成できるわけがない!」
と現場の方々からご意見を頂きました。
数値目標を決める際に、現場の方々の意見も入れたほうが良いということを
社長には提言していたのですが、社長のお考えとしては、そうすると低い
目標になるため、最初は自分が全職種×全等級の数値目標を決めたいと
仰ったため、社長が各部門に期待する成果を決定し、評価シートに盛り込みました。
ところが、説明会で説明した際には、ほぼ全ての部門(部門長や課長クラス)
から、「絶対無理だ!不可能!」というような声があがり、お話をお聞きする
と管理職の皆様の話にも説得力があり、後日話し合い、数値目標を修正しました。
やはり経営サイド、現場サイド、双方の意見を盛り込みながら、数値目標を決定
したほうが良いですね。

③マイナス査定の導入でざわつく
マイナス査定(給与が下がる)がありうることを伝えた瞬間に、ある社員の方が
え~!!」と声を出され、それに伴い「えっ、嘘、給与下がるの?
え、怖い!」と一斉に会場から様々な声が上がり、現場がかなりざわついた
ことがあります。
社長と一緒になぜマイナス査定の可能性がありうる制度としたのか?
またどんな点数になったらマイナス査定になるのか?評価シミュレーション
をした結果どうなったか?など、丁寧に説明しご納得いただきました。

マイナス査定を導入される企業様も多くありますが、通常は皆様冷静に受け
止めて、納得してくださいます。
ただ、その企業様の場合には、社員のほぼ全員が30~60歳の女性で、感受性が豊か
な方々が多く、一人が声を上げたことをきっかけに集団心理に影響を与えた
のではなかろうかと分析しております。

人事評価制度は、作って終わりではなく、作ってからがスタートです。
上記のように説明の段階で、何らかのアクシデントが生じることもあります。
その後、運用していけば、当然様々な問題が生じます。
それらと向き合いながら、少しずつ前に進むことで、社員も会社も成長
していきます。