【well-being書籍のご紹介~VOL.2~】実践ポジティブ心理学~幸せのサイエンス~(前野隆司 著)

さて、well-being関連書籍のご紹介、第2弾です。
日本の幸福学の権威、前野教授の著作です。

冒頭で「日本人は世界一不安になりやすい民族!?」という刺激的な書き出しで
スタートします。
日本人は、不安遺伝子と呼ばれる「セロトニン・トランスポーターSS型」を
世界で最も多く持つ民族であるため、そのように言われているようです。

この書籍では、ポジティブ心理学を「どうすればもっと幸せになるのか?」を
追求する学問であること、平たく言うと、「幸せの研究」であると位置づけた上で、
ポジティブの全体像やレジリエンス、フロー、マインドフルネスなどポジティブ
心理学の頻出用語につき、わかりやすく説明しています。

さらに、ポジティブ心理学を語るうえで欠かすことが出来ない6名の研究者の
主要な研究結果についてもまとめています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
①エド・ディーナー
幸福学(well-being study)の創始者、人生満足度テスト
②ダニエル・カーネマン
感情的幸福は年収7万5千ドルまでは収入に比例するが、それを超えると比例しなくなる
③マーティン・セリグマン
学習性無力感、幸せのための5つの条件「PERMA」
④イローナ・ボニウェル
レジリエンス(回復力)を高めるSPARKプログラム、4つの方法
⑤バーバラ・フレドリクソン
ポジティブ感情対ネガティブ感情の黄金比が3:1
⑥ミハイ・チクセントミハイ
フロー(その時していることに完全に浸りきって集中している心理状態)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

そして、著者独自の研究結果である、幸せの4つの因子を紹介しています。
本書で最も読み応えのある部分ですね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1つ目の因子:やってみよう!」因子(自己実現と成長)
人生の意義が明確、自己実現をしている人は幸福度が高い。

2つ目の因子:「ありがとう!」因子(つながりと感謝)
他者と積極的に接し、人に感謝し、他人との関係で幸福を得ている人は幸福度が高くなる。

3つ目の因子:「なんとかなる!」因子(楽観・前向き)
楽観的で気持ちの切り替えが早い人は幸福度が上がる。

4つ目の因子:「ありのまま!」因子(独立・自分らしさ)
人目を気にせず、人との比較に陥らず、本来の自分のままに行動できる人は幸福。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

その上で、より幸せになるための具体的なハッピーエクササイズを幾つか紹介しています。

私の感想としては、ポジティブ心理学、well-beingを学ぶための入門書として、最高の
一冊であると思います。
ポジティブ心理学の概要を網羅的にわかりやすく説明されており、独自の研究結果、
そして、実践的なエクササイズまで記載されていて、200ページ程度で読みやすい。
文庫本、しかも、定価860円。コスパ的にも最高です。
是非ともお勧めしたい一冊です!