エンゲージメントとwell-being
エンゲージメントとwell-beingの違いは何か?
こんな質問をされることがあります。
以前のブログでも書いたことがあるのですが、両者は通常、異なって意味として使われている
ものの、重なり合う部分が多い概念です。
日本の幸福学の第一人者である慶大前野教授は、「エンゲージメント」と「幸せ」に関して、
このように述べています。
「分析してみると、相関は高い。」
「エンゲージメントは仕事に没入して集中している状態のことで、やりがいの一種」
「(エンゲージメントとは)人間関係やリソースを整えてやりがいを感じるようにする
ことと言い換えてもいい」
「(エンゲージメントは)『幸せ』と比べると、少し小さい概念。幸せには、感謝する姿勢や
周りとの信頼関係といった要素も含んでいます」
このように両者は、異なるものの、相関関係が高く、重なり合う部分が大きい概念です。
ギャラップ社がエンゲージメントを測定する際に活用している、Q12というサーベイを元に、
エンゲージントとウェルビーイングの重なり合いご紹介したいと思います。
以下の12問に対して、1点(全く満足していない)から5点(きわめて満足している)の5択、
あるいは「わからない、あてはまらない」(0点)で回答するというものです。
1.自分が仕事で何を期待されているか理解している。
2.自分の仕事を適切に行うのに必要な資料や備品を持っている。
3.職場で、自分が最も得意なことをする機会が毎日ある。
4.過去7日間の中で、よい仕事をしたと認められたり褒められたりした。
5.上司または職場の誰かが、自分を一人の人間として気にかけてくれているようだ。
6.職場で、私の成長を促してくれる人がいる。
7.仕事において、自分の意見が尊重されているようだ。
8.会社の使命や目的が、自分の仕事が重要なものであると感じさせてくれる。
9.同僚たちが質の高い仕事をしようとコミットしている。
10.職場に親友がいる。
11.過去半年の間に、職場の誰かが私の成長度合いについて話してくれた。
12.過去1年の間に、仕事で学び成長する機会があった。
上記12個の質問は、エンゲージメントを図るための質問ですが、ほぼ全てがwell- being
の要素ともなっています。
Q12 のうち11個の質問がマーティンセリグマン博士のwell-beingの要素、前野隆司教授の
幸せの4因子に関連するものとなっています。詳細は下記をご確認ください。
エンゲージメント、well-being、言葉の違いはありますが、社員がイキイキと働き、
生産性向上に資する心理状態であることに違いはございません。
現在は、テレワーク推進により、会社への帰属意識、貢献意欲、仕事へのモチベーションが
下がってきている社員もいるかもしれません。
エンゲージメントでも幸福度でも、いずれでも構いませんので、是非、組織の状態を
診断により可視化し、改善策を取ることをお勧めします。