子どもの有無と幸せ
15歳未満の子供の数が、2021年4月1日の段階で、1493万人であり、
前年よりも19万人少ないとの統計結果が出ました。
子供の数は1982年から40年連続で減少しており、過去最少を更新しました。
少子高齢化は今に始まったことではなく、40年前から始まっています。
その根本的な原因は、婚姻件数と婚姻率の減少です。
背景には、経済的な理由が男女どちらにも見られ、加えて男女とも圧倒的
に多いのは「適当な相手にめぐり合わない」という理由。
時代が進むにつれて価値観が変わり、独身時代を長く楽しみたいなどの理由
や女性の社会進出も少子化に影響を与えていると言われています。
結果として、日本の労働人口が減少し、日本市場の縮小、年金問題などに
繋がります。
そして、今後も働く人が少なくなっていくから、人材を大切にしよう、
長く働いてもらわないといけないという流れが促進し、働き方改革関連法案
の施行となるわけです。また、足りない人材を外国人や高齢者で補おうとする為、
外国人技能実習生、特定技能、定年延長などの話が出てくるわけですね。
このように、少子高齢化は日本に多大な影響を影響を与えていますが、
well-beingの観点から、少子化が加速する理由の一つとなっているかもしれない
データをご紹介したいと思います。
それは、「子供のいる女性の方が、幸福度が低い」というデータです。
下記グラフのように専業主婦であるか、働いているかを問わず、
子供がいる方が幸福度が低いというデータがあります。
理由としては、様々なものが考えられますが、これまでの研究から、
①お金、②夫婦関係、③家事・育児負担の3つが原因であると言われています。
もちろん、子どもがいることにより、幸福度は高まるというプラスの側面は
あるのですが、そのプラスの効果以上に、お金、夫婦関係、家事・育児負担等
によるマイナスの影響が大きいということです。
特に第一子出産後から、女性の夫婦関係満足度が下がっていることから、
①第1子出産
②夫の子育て支援等が得られず夫婦関係悪化
③女性の幸福度低下&第2子出産の抑制
というような流れで少子化が進んでいることが考えられます。
※詳細を知りたい方は、こちら、もしくは、こちらをご覧ください。
価値観が多様化しキャリア志向の強く働きたいという女性もいれば、
働きたくなくとも、先行き不透明なこのVUCAな時代ですから、
専業主婦にはならず、働かなければならない方も多いことでしょう。
その結果、共働き世代は右肩上がりに増え、現在は約70%程と言われています。
このような中では、特に幸福度が最も低くなっている子どものいる働く
既婚女性には、仕事と家庭の両立負担の緩和が必要です。
そのために、男性の家事育児への参加が重要となり、それを実現するためには、
男性側の意識の変化、育休取得、残業時間削減、時短勤務、在宅勤務などが
求められます。
会社としては、人材採用、そして、定着させるためには、このような時代の
流れに沿うような制度を整えたり、また、上司の理解も必要不可欠となって
きています。
※私のお客様は、新卒採用の面接時、男子学生に「育休は取得できますか?
男性が取得した実績はありますか?」と聞かれたそうです。
well-beingという観点からも、男女ともに家計を担い、ともに家事育児を分担
しなければいけない時代です。
自分自身を戒める意味でも、「男性陣、家事育児を頑張れ!」とエールを送り、
このブログを終えたいと思います。