【well-being書籍のご紹介~VOL.10~】恐れのない組織(エイミー・C・エドモンソン 著)
久々のwell-being関連書籍のご案内となります。
今回は、「恐れのない組織」(エイミー・C・エドモンソン著)です。
ハーバード大学ビジネススクールの教授であり、心理的安全性の研究の第一人者で著者の
最新作です。
心理的安全性は、グーグル社のプロジェクトアリストテレスをきっかけに、飛躍的に
認知度が高まりました。
そのため、心理的安全性を高めよう!という経営者・人事・管理職の方々が増えましたが、
その方法がわからないという方も多かったと思います。
当ブログでも紹介したように(詳細はこちら)、心理的柔軟性を高めるという方法もその
一つですが、マインドフルネスをベースとした心理的柔軟性の向上には、専門的な訓練が
必要となります。
とはいえ、そんな訓練を管理職に施す時間もお金もないので、手軽に
「心理的安全性を高めるための、現場ですぐに使える、実践的なテクニックが知りたい」
という方におすすめの書籍です。
そんな方々に内容的に、一番お勧めしたいのが、第3部「フェアレスな組織をつくる」の
第7章「心理的安全性を確立するためのリーダーのツールキット」というものです。
内容を簡単に要約しますと、
心理的安全性をつくるには、①土台をつくる、②参加を求める、③生産的に対応する、
という大きく分けると3つのプロセスを踏むことが重要とのこと。
それぞれの各プロセスは、下記のように細分化されるそうです。
①土台をつくる
・仕事をフレーミングする(仕事に対する思い込みを変える)
・目的を際立たせる
②参加を求める
・状況的謙虚さを示す
・探究的な質問をする
・仕組みとプロセスを確立する
③生産的に対応する
・感謝を示す
・失敗を恥ずかしいものではないとする
・明らかな違反に制裁措置をとる
気になった方は、是非、ご一読することをおすすめします。
P.S.
たまに、「well-beingな組織って、心理的安全性がある組織ですよね?」というご質問を
頂くことがあります。
エドモンソン教授のツールキットによると、「目的」(=meaning、purpose)、「感謝」、
「失敗を恥ずかしいものではないとする」(=挑戦、楽観)、対話がなされることにより
醸成される人間関係(=relation、つながり)など、well-beingの構成要素と重なり合います。
あとは、well-being、及び、その構成要素をどのように定義づけるかによりますが(識者に
より微妙に変わってくるので)、基本的には、well-beingな組織に必要不可欠な要素として
心理的安全性があると思います。ですから、「well-beingな組織であれば、心理的安全性が
ある組織」といえます。ですが、well-beingは心理的安全性よりも大きな概念ですので、
「心理的安全性のある組織であれば、well-beingな組織である」とは言い切れないと思います。
ややこしいところですが…。