日経Well-beingシンポジウム(9月21日)

9月21日&22日に「日経well-beingシンポジウム」が開催されました。
1,000名の集客目標に対して、2,000名が参加したとのことで、well-beingへの関心の
高まりを感じさせます。

2日間に渡り様々な立場の方々が色々なお話をされていました。
私も全部は見れなかったのですが、少しづつ動画アーカイブで視聴する予定です。
※アーカイブはこちらです。

さて、本日は、日経well-beingシンポジウムのオープニング対談である、政/官セッション
についてご紹介したいと思います。セッションの参加者は下記の通りでした。

上野 通子氏 (自由民主党 参議院議員/日本Well-being計画推進特命委員会 委員長)
柳川 範之氏 (東京大学 大学院 経済学研究科 教授)
鈴木 寛氏 (東京大学 公共政策大学院教授 兼 慶應義塾大学 政策・メディア研究科 教授)
パトリック・ハーラン氏 (タレント/東京工業大学 非常勤講師)

国会議員、及び、経済学や公共政策学の先生方がなぜwell-beingという概念に注目している
のか、それぞれの個人的な背景もお話してくださったのですが、印象に残っていたのが、
上野議員の話です。とある高校生にこのようなこと聞かれたそうです。

「人生100年時代って言われますけど、100年生きることって、本当に幸せ何ですか?

このときに、国の政策が本当に国民の幸せに繋がっているのか?という疑問を持ち、
GDPでは測れない幸福度の指標や国民を幸せにする施策の必要性を感じたそうです。

パックンの司会の影響もあり、あっという間と感じたのですが、私が一番痛感したことは、
well-beingはもはや政治、経済、行政において国レベルで注目されている概念である
ということです。

つい最近までは(現在もですが…)、well-being=幸せ、幸福というと、すぐに「宗教
を想起される方がいらっしゃいました。その言葉を聞くだけで、いわば条件反射的に、
嫌悪感というか、拒否反応を示される方も多いです。
そのたびに、諸外国の事例やポジティブ心理学の話、社員を幸せにすることで好業績を
あげている事例などを紹介し、well-beingは宗教ではなく、学問の研究対象であり、
また、企業経営の場で組織活性化の肝となる概念であることを啓蒙してきました。
それでも、まだ心理学のレベルであり、それも新しい学問領域、企業経営に取り入れて
いる企業も少数派であると感じていらっしゃる経営者が多いという印象は拭いきれません。

しかし、もはやそのレベルではない、かもしれません。
いつまでもwell-being=宗教と考えていると、周囲の方々に「知識不足、勉強不足、世の中
の流れに疎い」というネガティブな印象を与えてしまう可能性すらあると感じました。

というのも、与党や政府の中には、既にwell-beingという言葉が浸透し、政府の方針にも
その言葉が明記されているからです。

まず、2018年3月自民党内で下村博文座長のもと「日本Well-being計画推進PT」が発足し、
政府へ幸福度・満足度指標郡の構築を提言し、内閣府が2019年2月より毎年、
生活の質・満足度に関する調査」を実施するようになりました。
※「幸福度向上担当省(仮称)」「幸福度向上担当大臣(仮称)」の設置も提言されてい
るようです。
また、2021年6月の政府骨太方針には、「国民がWell-beingを実感できる社会の実現」という
言葉でwell-beingが盛り込まれています。詳細はこちらをご参照ください。

対談の中では、well-beingになるための企業の役割についても皆様が色々なお話をされて
いたので、興味のある方は是非、アーカイブをご覧ください。
今後も益々、well-beingに関する世間の関心が高まることを切に願います。