「今日の仕事は、楽しみですか。」

「今日の仕事は、楽しみですか?」

今からちょうど1週間前、10月4日に品川駅コンコースのディスプレイにこんな広告が表示されました。しかし、ネット上で、「働く人の神経を逆なでしている」「楽しくて仕事してるわけじゃない」「まるでディストピア(暗黒社会)だ」等と非難が殺到し、公開翌日に取りやめとなってしまいました。詳細はこちらをご参照下さい。

通勤ラッシュに揉まれ、足早にオフィスに向かっている最中にこの広告を見た人の中には、良い気分がしなかった人もいたのでしょう。また、仕事を楽しむべきという価値観を押し付けられているような、同調圧力のようなものを感じた方もいらっしゃったのかもしれません。特に、休み明けの月曜日の朝であったということも影響しているのかもしれません。属にいう「サザエさん症候群」で日曜日から仕事に行きたくないという気持ちが徐々に募り、ストレスを感じている方もいますから。

他方で、月曜日の出社を心待ちにしている社員で溢れている会社もあります。幸福経営を実践している徳島の西精工社です。同社では5年ほど前から年1回、「幸福度調査」という社員アンケートを実施しています。昨年は「毎週月曜に出社するのが楽しい、ワクワクする」が88.6%という驚異的な数字を叩き出しています。そんな西精工社も、最初からそのような状態であったわけではなく、西社長が会社を引き継ぎ、社長に就任した当初は、西社長曰く、「会社の雰囲気は暗く」「挨拶もない」「やらされ感でいっぱい」の会社であったそうです。

個人の価値観は人によって異なるので、「仕事に楽しみを求めていない」という人は、それで構わないと思います。そのような考え方でも、しっかりとやるべきことをこなして、社内外で高い評価を受けている方々も多くいらっしゃいます。他方で、「せっかくだから、仕事を楽しみたい。」という方々も多くいらっしゃいます。その中でも「仕事を楽しみたいが、今は残念ながら楽しくない」という方は、辛いかもしれませんね。

ただ、人・組織によって、それぞれ状況が異なるので一概に言えませんが、個人・組織の取り組み方次第で、仕事を今以上に楽しむことは出来ます。今の会社で仕事内容が変わらなかったとしても、人間関係を良好にする施策をしたり、仕事の意義を考えたり、仕事に没頭しやすくなるような工夫をしたり、達成感・成長感を感じられるような制度を取り入れたりする等、何か一つでもいいので、「どうやったら仕事がもっと楽しめるか?」を自社なりに、自分なりに考えて、実行すると良いと思います。
私個人としては、働く楽しみ、喜びを感じている人で溢れる社会になってほしいと願っています。