幸せの見える化

日経新聞で、昨日から「Nextストーリー~ウェルビーイング 経営に幸せを~」という
特集記事の連載がスタートしました。

先の見通せない時代に、古くて新しい価値観が経営者の間で合言葉になっている。
 幸せ(幸福、ウェルビーイング)だ。
という書き出しで始まり、
まずは社員の幸せの計測と可視化から。それが当たり前になる社会が日本でも
近づいている
という言葉で締めくくっています。

記事の中では、このブログでも紹介した慶應義塾大学前野教授の幸せの4因子
ハピネスプラネットが紹介されていました。
また、積水ハウスが従業員2万7千人に幸福度診断を実施していることも紹介
されていました。
※幸福度診断に関する積水ハウスのプレスリリースはこちら

最近はwell-beingの認知度も上がってきたと思います。
まだ「流行」と呼べるような状況ではないかもしれませんが、以前のような、
「幸福=宗教」というような誤解は薄れ(まだそのように思われている方も
多くいらっしゃるのは事実ですが…)、世の中の流れとしては、社員を幸福
にすることが人や組織の成長につながるという考え方や、まだまだ少数派
ですが、会社経営の目的は社員を幸せにすることであるという考え方が、
世の中に受け入れられるようになってきたと感じます。
そして、今後、さらに認知度が上がり、「流行」と呼べるような状態になる
でしょう。

ただ、重要なのは、その後ですね。
はぴテックの太田さん(私は勉強会でご一緒したり、去年は個別に打ち合わせ
したり、アドバイス貰うなど大変お世話になりました。)が日経のインタビュー
で、「ウェルビーイングを流行では終わらせない」と仰っていました。

流行ではなく、健康診断のように幸福診断を当たり前のものとする。
そして、全ての経営者が当然のごとく、社員の幸せを向上させるための
人事施策を考える。必要であれば、CHO(チーフハピネスオフィサー)を置く。
このような状態に至るには、まだまだ課題が山積です。

特に私が大きな課題であると感じているのは、日本国内で社員幸福度を上げる
ことにより、業績を向上させた実例の数

既に海外の論文、研究などでは、幸せな人はそうでない人と比べて、生産性は
30%高く、創造性は3倍高く、売り上げは37%高い等、幸福度と業績との相関
を証明するデータが数多くあります。
※上記のデータは、ハーバードビジネスレビューでも紹介されています。
当然、離職率や欠勤率も下がるということも明らかになっています。
これが企業がウェルビーイングに注目している背景の一つです。

しかし、日本の企業では、社員を幸福にして業績を向上させている企業は沢山
あるものの、全体に占める割合からすると多くはないという状況です。
(有名な企業ですと、伊那食品工業様、西精工様等)

ですから、「同業や周囲の企業で社員幸福度を上げて、業績を上げた実例・
実績はまだない。様子を見よう。」という感覚の経営者も多いです。

裏を返すと、現在、社員を幸福にしようと取り組んでいる経営者は、
社員を幸せにする
という崇高な志を抱きながら、新しいことに挑戦している
パイオニア、
先駆者です。

このようなパイオニアが実際に社員を幸せにし、社員の生産性が上がり、
離職率が低減し、採用力が強化され、業績が向上していったとき、そんな
事例を当たり前のように耳にするようになったとき、一気にwell-being
経営に取り組む経営者が増えてくるでしょう。

当社は当面、そんなパイオニア的な先駆者のような企業様を支え、
はたらく人が幸せな社会創りに貢献していきたいと思います。